A

Ashida Architect & Associates

facebook
twitter

青葉台の住居 Yokohama, 2015

築約40年のマンションの1室リノベーションのプロジェクト。このマンションの造りは鉄筋コンクリートの壁式構造であり、ほぼ全ての部屋の間仕切りがコンクリートの壁でできていたため、壁を壊さないで改装を行う必要があった。元々2LDKの間取りであったものを1SLDKへと間取りの変更をしている。
そのような理由から、リビング・ダイニングの中央に大きな2つの開口のある壁が残ることになった。この開口の一つは、元々扉があったところ、もう一つは押入れのためのものであった。
まず、スペースを有効に使うために、キッチンカウンター、ダイニングテーブル、テレビ台が一体となった家具をつくり、この壁を横断するように配置した。この家具の形状を動線上もっとも効率的にすることで、この壁が使い勝手の支障になることがないように計画した。
そしてこの壁に色を与え、コンクリートという物質の壁を抽象化することを試みた。壁は抽象化されることで、記憶の痕跡をぬぐい去り、間仕切りという機能も失い、ただの「面」へとなる。あくまで空間に彩りを添える「面」である。この壁が仮に撤去できたらどのような空間になったであろうか。この壁があることで、この住居の住まい手は自らの拠り所をここに得ることになったのではないかと思う。

所在地:横浜市青葉区
規模:約55㎡
建築:蘆田暢人建築設計事務所 担当:蘆田暢人、勢井彩華
施工:有限会社 本田節紀工務店
写真:繁田諭

006

002

003

004

001

005

007

008

009

011

010

 


WORKS