A

Ashida Architect & Associates

facebook
twitter

醸す森 Matsunoyama, 2018

松之山温泉から少し離れた森のなかに建つ簡易宿泊所の内装改修計画。市が所有していた宿泊施設が民間に払い下げられ、新たに「BAR & HOSTEL 醸す森」として再生されることとなった。1階に「醸す森バル」というレストランと宿泊施設「醸す森ホステル」の共用部、2階にホステルの客室が並ぶ。
集落から少し離れた場所に位置するため、周囲には森以外何もない。さらには遠方の山並みも見渡せる、美しい借景を持つ建物である。この美しい眺めが施設の最大の価値であるため、ガラスという空間的隔たりを持ちながらも、森とインテリアを連続的につなげていきたいと考えた。内装は黒を基調とすることで、外の明るい風景がインテリアに飛び込んでくる。さらに天井には森と風景に向かって、越後杉のルーバーを配置した。窓の向こうにも杉林が広がる。天井と森が呼応する。「醸す森」のコンセプトは「あなたを醸す」。雪国文化はとかく素材を醸す。醸し、発酵させることで冬の保存食を確保し、それが豊かな文化を生んだ。「醸す」ということは、間(あいだ)の時間をデザインすることである。間の時間を待つこと。求める情報や空間に即時的にたどり着くことができる現代において、醸される刻を楽しむことのできる場所をここにつくりたいと思った。

所在地:新潟県十日町市松之山黒倉
延床面積:699.99㎡
規模:地上2階(改修)
用途:簡易宿泊所
構造:木造

設計・監理
建築:蘆田暢人建築設計事務所 担当:蘆田暢人
アートディレクション・サイン:4CYCLE 担当:フジノケン

施工
建築:高橋組・おのじま建設

醸す森の公式WEBサイトはこちら→

醸す森-001

醸す森-007

醸す森-004

醸す森-008

醸す森-006

醸す森-010

醸す森-011

醸す森-015

醸す森-014

醸す森-016

醸す森-017


WORKS